COLUMN コラム
2020.10.15
琉球王朝時代の王族が眠る陵墓 “玉陵(たまうどぅん)”
2020年は『琉球王国のグスク及び関連遺跡群』が世界遺産に登録されて20年が経過しました。首里城跡や斎場御嶽などとともに登録された玉陵(たまうどぅん)は、琉球王朝時代の王族が眠る陵墓です。2018年には国宝に指定され、沖縄県内で建造物としては初の国宝指定となりました。
2000円札にも描かれている人気観光地・守礼門から徒歩10分ほどで到着します。
入場料は大人¥300、小人¥150です。チケット売り場から地下へ階段を降りると、資料館になっています。先に資料館で知識を蓄えてから玉陵へ行ってみてください。
玉陵はとても神聖な場所。一般の人は入れず、こちらの遥拝所で手を合わせていました。
一番奥に位置する東の御番所は、墓を守る番人がいた場所です。かつては西の御番所もありました。
外郭の門をくぐると、中庭は玉陵碑があります。玉陵に葬られるべき人々を規定したものです。この書き付けに背くならば、「天に仰ぎ、地に伏して祟るべし」と怖いことが記されています・・・。尚真王の長男・次男の名が記されておらず、当時の王室内の対立が伺えます。
中郭の門をくぐると玉陵のお目見えです。墓室は三つに分かれており。中室は洗骨前の遺骸を安置する場所、東室は洗骨後の王と王妃、西室には玉陵碑に記されていた家族が葬られました。
各墓室には沖縄では珍しい立ちシーサーが鎮座しています。
たくさんの観光客で賑わう華やかな首里城とは異なり、ひっそりと佇み聖地感が半端ない玉陵。沖縄戦では首里城に第32軍の司令部が置かれたため、一帯は米軍のよる激しい艦砲射撃など激しい攻撃を受け大きな被害を被りましたが、3年以上による修復工事によりほぼ当時の姿を見ることができます。